実釣の中で私がいつも感じていたこと。
それは、その釣り、または釣り方の本質を掘り下げ、その部分に特化した竿を使いたい。
と言う事でした。
例えばカワハギ釣り。
この釣りでは「あまりアタリを出さないカワハギという魚にどのように針掛かりさせていくか?」が最も重要であり、そこへのアプローチが複数あります。
そのアプローチは大きく分けると「アタリを取って掛ける」か「動きで掛ける」かの2つ。
そして、アタリの取り方は更に2つに分けられます。
一つは穂先の動きを見る「目感度」、もう一つは微細な振動が手に伝わる「手感度」です。
つまり、現代の釣法は
アタリを取る①『目感度釣り』と②『手感度釣り』
動きで掛ける③『誘い掛け』
の3つに大別できます。
そしてここからがロッドの話し。
勿論、3つの釣法全てを1本でカバーできるロッドがあれば最強な訳ですが、実際にはそれぞれの釣法によってロッドの材質、調子が変わってくる為、オールインワンなロッドというのは現在のところ存在しません。
従って我々釣り人は状況に応じた釣法の切り替えと、それに合ったロッドの選択をする必要がある、と言うのが現段階での結論。
このような中で、まず私が目指したのは圧倒的な手感度でした。
カワハギが餌を取り始めた瞬間をゼロ、完食した瞬間を10とした時、ゼロ地点を手感度で見極めることが出来れば勝負の時間は10残っています。
つまりカワハギに対してより優位に立つ為に開発したのが『カワハギ斬-ZAN!! TypeHH』なのです。
このロッドで得られた鋭い手感度は、従来手感度系と言われていたロッドを遥かに凌いでいて、他のロッドに持ち替えた途端に海底の根が消えてしまったかのように感じる程でした。
手感度を究極まで掘り下げ特化させることが出来た、正に私の求めていたロッドそのものが完成したのです。
また、斬-ZAN!!-シリーズではマルイカロッドもリリースしています。
こちらは今や完全にスタンダードとなった感のあるゼロテン釣法に特化した本格ゼロテンモデルです。
しかし、マルイカ釣りで最も重要なポイントは実はイカが掛かっている重さ、つまり『乗り感』をどれだけ正確に感じ取れるかです。
『マルイカ斬-ZAN!!-』は、この乗り感にフォーカスしてブランクスの開発に力を注ぎ、更にアングラーの頭を悩ませる繊細な穂先の破損を少しでも回避する為の素材と構造を模索し完成させたモデルです。
このように、当工房では『道具は釣るための本質的な要素を追及して作るもの』と定義し、これからも新商品を開発して参りますのでご期待ください。