【ライトアジ超絶テクニック】 『喰い芯理論』の活用で釣れない時間をいかに無くすか!?

東京湾奥の黄金アジ

当工房が提唱するライトアジ釣りの新たな考え方と、それに基づいた釣法『工藤流速攻メソッド』については、本ブログの記事と動画で概要をお伝えしたところ、大きな反響をいただきました。

 

参考記事 : 革命!!速攻のLTアジ釣り『ライン引き』と『喰い芯』とは何だ!?

動画リンク:LTアジ釣りでアベレージ200尾超え!! 革命的 工藤流 速攻メソッドとは!?

 

ご覧いただいた方からは、今までの常識を覆す考え方に「驚いた」というお声と同時に、「なるほど、言われてみれば!!」とのご賛同もいただきました。

早速実践してみたという方もいらっしゃって、いきなり新記録を更新したり、周りが釣れてない時間に連発したり、といった現象も多々起こっているようです。

 

特に『ライン引き釣法』については、”アクションでアタリを出していく” という部分が太刀魚やカワハギ等との共通点もあり、イメージしやすいひとも多かったのでは無いでしょうか?

潮が効いて活性がアップした状況ではアタリ出しまでの時間が大幅に縮まり、一気に数を稼ぐ事ができる無双状態に入れます。

上手くコツを掴んだひとは「連発で笑いが止まらなかった」なんて!!

私も同感で、これをマスター出来れば少し良い日並みなら束釣りの壁は意外に簡単に突破出来るようになります。

強力な武器となりますので是非マスターして欲しいところ。

 

が一方、『喰い芯理論』については「ちょっとイメージがつかない」「実践での具体的な活用方法がわからない」といった声も・・・・

ということで今回はそんな疑問に向けて更に突っ込んだ喰い芯の活用と実践の方法を解説してみようと思います。

 

 

『喰い芯理論』のおさらい

ではまず『喰い芯理論』についてざっとおさらいしましょう。

 

一番のポイントとなるのは “海中には流れの層がある” という事実です。

その流れの中に定位して、目の前に流れて来る餌を食べる。

であれば、この流れの層を感じ取ってピンポイントで攻めることができればアタリは倍増するはず、というのが『喰い芯理論』の基本概念です。

これは磯の上物釣りや渓流釣り等、流れを読んで仕掛けを操る釣りをする人にはイメージしやすいですよね。

 

この流れの層は、言い方を変えればいわゆる「棚」のことにもなりますが、敢えて『喰い芯』と呼ぶのはなぜなのか?

それは、この流れの層が海底の凹凸や障害物の影響を受けてヨレるために、一定の高さにあるわけでは無いから。

つまり “底から 〇〇メートル” と数字で捉えるだけでは完全には攻め切れていないわけですね。

 

例えばこれ。

魚探でもこういった場所に反応が映ることが多い

駆け上がりの地形です。

 

図の通り、地形によって水流は変化していて、この場合は駆け上がりの肩の部分で底の流れと中層の流れがキュッと圧縮されます。

ですからここでは水流がより強くなり、我々にはより重く伝わります。

そしてこのような場所には流れとともに餌が集まりやすい為、魚の群れも合流点である駆け上がりの肩の部分に着いている。

もちろんこのような地形変化のある場所を狙えば、釣り座や船の動きによって自分の真下の水深は変わってしまいます。

ですから数字で合わせるより水流を感じ取って合わせる方が早いわけです。

 

と、まぁおさらいはこんなところでしょうか。

この辺りについては前回の記事にも詳しく書いていますので未読の方は是非目を通してみてください。

『喰い芯』を感じ取るコツ

おさらいができたところでさっそく実践編に移りましょう。

もちろん導入はまず『喰い芯』を感じ取ることからです。

前述の通り『喰い芯』とはあるレンジに存在する流れのことですから、ライトアジの道具立てで言えば、ビシが受ける水流抵抗の変化がカギになります。

これは簡単に言えば、ビシを持ち上げていって重くなるところを探すということ。

 

釣り開始時は、やや低い位置(底から50センチ程度)から小さく一定した動作でしゃくりながら重さの変化を探していくところが入り口。

こうして『喰い芯』を見つけます。

だいたいの位置がわかってくれば、次からはその付近を集中的に探ってやれば早いですね。

もちろん雑なロッド操作では変化に気付くことができませんから、まずはとにかく丁寧な操作を心がけましょう。

ただそうは言っても、この感じ取る、というのが慣れないと結構難しいんです。

 

なのでコツをふたつほど。

ひとつ目のポイントは穂先とミチイトが作る角度(アングル)を一定に保つことです。

ロッドから手元へ伝わる重さは、アングルの取り方によって大きく変わってしまいます。

なので、まずはなるべく一定のアングルで探る必要があります。

 

ふたつ目はこのアングルを若干鈍角にすること。

なお、本来の釣りの基礎ではアングルは90度±15度が基本です。

 

参考記事:船小物釣り上達の絶対的な秘訣!!G.F.A理論とは【前編】

参考記事:船小物釣り上達の絶対的な秘訣!!G.F.A理論とは【後編】

 

ですが、柔らかい胴調子のロッドを使用するライトアジの場合は基礎通りの90度前後だと重さが少し分かりにくいんですね。

基本的に重さの変化はロッドの穂持ちから胴の部分にかけてしっかり負荷が掛かる事で手元に伝わりやすくなる。

つまり、穂持ちと胴はあまり曲がらない方が重さは分かりやすいということです。(マルイカの乗り感が良い例)

しかし、ライトアジのロッドは穂先からバットまで全体的に曲がります。

この様な調子のロッドを90度前後のアングルで構えると、良く曲がる部分で吸収してしまい、重さが手元に伝わりにくくなるんです。

なので、敢えて鈍角に構えて穂先ではなく穂持ちから胴に荷重を掛けるイメージで操作してやる。

具体的には竿先は少し下げ気味になる、ということですね。

 

実際には使用するロッドによってどの角度がベストかは変わってきますが、だいたい130度辺りが良い様に思います。

これで格段に重さの変化が分かりやすくなるはずです。(※もちろん魚を掛けてからは基礎的なアングルコントロールが必要です)

 

 

『喰い芯』の基礎パターン = まずは煙幕に素早く付け餌を入れる

喰い芯が分かったら、次はそこでコマセを撒き、すかさず付け餌を持ってきます。

これは一般的な釣り方で言われている「コマセを撒いたら1メーター持ち上げて待つ」という方法に近いです。

 

そもそも、喰い芯には魚が集まりやすいですから、コマセを撒いたら付け餌をその中へ入れてやることが重要。(もちろん、既に『喰い芯』が分かっているので、闇雲に数字で高さを合わせる必要は無いですね)

で、ここで考えなければいけないのが仕掛けの構造です。

まずは撒いた直後の濃い煙幕の中に素早く付け餌を入れたいので、ビシから最も近い距離にある上針を基準にします。

なのでコマセを撒いたら素早く上針までの距離分をスッと持ち上げる。

多くの方が使っている仕掛けは、テンビンから上針までが80センチ前後が多いですね。

 

なお、この時に考慮しておくと良いのが天秤。

ビシと天秤には腕の長さによる縦位置のズレがありますから、潮の流れを見ながらチューニングすることでより素早くコマセの煙幕に入ります。

 

具体的に言うと、潮が効かない時ほど腕を下に向ける。

そうすると縦方向のズレは少なくなるので、より早く上針が煙幕に入るはずです。

逆に、潮が効いていればコマセの煙幕は仕掛け側に流れてくるのですぐに同調します。

なお、これはライン引きでも使える小ワザで、工藤流速攻メソッドにおいては、腕の角度調整がしやすいストレート天秤を使用するのが理に適っています。

  

話を戻します。

上針を喰い芯で撒いたコマセの中に入れた後は、時間と共に仕掛けが流れによってなびいて上ずっていくかもしれませんが、その場合は下針がカバーしてくれます。

ある程度の潮流があってアジの喰いもそこそこであれば、この操作で連発することはとても多いです。

そしてこれは『ライン引き釣法』とセットで行っていくと効果的。

これで空振りを減らし、取りこぼし無く非常に早いアタリを拾って行くことが可能になります。

ちなみに、こちらの動画ではこの釣り方を工藤テスターが実践しています。

 

 

『喰い芯』の応用パターン・激渋攻略!!

ここからは船中でもほとんどアタリが無い苦しい時間帯に、いかにして一定のリズムで釣り続けるのかについて考えていきます。

つまり喰い芯を活用した超絶テクニック!!

釣れない時間に一定のペースで釣りつづけることが出来れば、必然的に数の面で優位になります。

これは小物の数釣りの世界では共通の強力なアドバンテージですよね。

 

シブくなる理由と対策

魚の食いがシブくなる理由には、潮流の変化、水温の変化、水質や水色の変化が挙げられますが、それらが複合することで超激渋になるかと思います。

そして、そもそも活性が低い魚は餌を見つけてもなかなか追いかけません。

そんな状況でアングラーができる対策は

 

  • 魚の目の前に餌を持っていく
  • 反射で口を使わせる

 

の二つ。

 

①は言うまでもなく、”目の前にあるからつい吸い込んでしまう” という状態を作り出すことが狙いです。

②は、①の状態を作ってやっても食い付くのを躊躇っている魚に更に口を使うきっかけを与える、というイメージ。

これらを踏まえて具体策を考えてみましょう。

 

まずはデッドスロー聞きで対策

対策のひとつ目はデッドスロー聞きです。

つまり聞き上げ、若しくは聞き下げを超ゆっくりと一定のスピードで行うこと。

喰い芯の層の中をデッドスローで仕掛け操作し、アジの目の前に餌を持って行って口を使わせるイメージです。

 

なお、ゆっくりと聞き上げる動作は、いわゆる「モタレ」を拾うということで意識しているマニアも多いですが、聞き下げは「掛かり所が悪くなる」としてあまり行われません。

が、激シブ時は多くの場合潮が効かないために喰い芯がとても狭く、その幅は20センチ程度になっています。

この様な短い距離でのデッドスロー聞き下げでは経験上あまり掛かり所に影響が無いようです。

そして、この聞き下げがパターンとしてハマること多々。

これ、イメージ的にはモロにカワハギです。

 

揺さぶりで対策

そしてもうひとつが反射で食わせること。

つまり誘いですね。

が、そもそも活性が低く餌を追いかけない、狭いレンジでしか食って来ない、という状況ですから、大きな距離の誘いは使えません。

そこで行うのが “揺さぶり” です。

付け餌を見てもなかなか口を使わないアジに食いを促す。

あくまで付け餌はアジの目の前に置いてやり、その上で小さく揺さぶってスイッチを入れてやるイメージで行います。

更には、仕掛けがごく小さく動き続ける事で、アジが付け餌を吸い込んだ際に針先が口の中に触れる確率が上がるので非常に有効なアクションなんですね。

これを上記のデッドスロー聞きと組み合わせることでアジの目の前に付け餌が置かれる確率を上げてやれば、アタリまでの時間はより短縮されていきます。

ちなみに実はこれも、モロにカワハギのテクニックでもあるんです。

 

付け餌が喰い芯を捉えたシグナル

ちなみに喰い芯を見つける際にはビシの受ける水流を感知することが重要なのは既に述べた通りです。

で、実戦ではこれを目安にして付け餌を喰い芯に入れてやります。

つまり、喰い芯を捉えた層からビシを動かしてしまうわけで、慣れないと水流抵抗という目安が無くなり不安になります。

ある程度の潮流があれば喰い芯が広いので大丈夫ですし、サカナの活性が高ければ、答えはアタリという形ですぐに返ってくるので安心なんですが・・・・

 

しかし激シブ時には喰い芯が超狭いことが多いですし、そもそも魚がスローですから答えがすぐには返ってこないもの。

なにか他に目安になるシグナルが欲しいですよね。

そこで注視しておきたいのが穂先の小さな動きです。

 

喰い芯にある程度の密度で魚が居る場合、すぐに食い付かずとも、穂先に若干の重さや震えの様なシグナルが現れることがあります。

これは極々小さなモタレや、カワハギやマルイカで言うところの横揺れ、震え等の目感度に相当するもの。

もしこれを見つけられたら、”上手く付け餌が喰い芯のど真ん中に入っている” と判断でき、自信を持ってそのレンジを攻めることができるようになります。

もちろん必ず出るとは言い切れませんが、意識しておかないと認知できないレベルの極小のシグナルですから、頭に入れておくことをおすすめします。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の内容は完全にマニア向け。

ゆる〜くアジ釣りを楽しみたい、という向きには不要な理論かもしれません。

 

が、この様な攻略法は現に存在しており、これによって確実に釣果が上がる、ということを身をもって感じているところです。

ライトアジ釣りの可能性と深みを広げて、更に楽しくしていくこと。

これが当工房の目指していく目標のひとつと考えていますので、今後もマニアックな内容を発信して行く予定です。

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