シーズン直前‼️カワハギ釣りの戦略を整理してみる
夏真っ盛りの8月。
この時期になると、そろそろハギ師はシーズン突入を意識しますよね。
そこで一番気になるのは、
そもそも今期のカワハギは多いの?少ないの?
ってことじゃないかと!!
凄く多ければ、数釣りには非常に楽しみなシーズンが予想出来ますし、逆に少ない様だと戦略や釣行のタイミングによっては上級者すらやらかしてしまう気難しいシーズンが予想されます。
直近2シーズンの状況と釣り方を振り返る
ちなみに、一昨年2019年秋~2020年の年明けまでと、昨年2020年秋~2021年の年明けまでの2シーズンを総括すると、双方共にカワハギの絶対量が少なめで、その影響から各ポイントでのカワハギの密度は低い状態にあったと思います。
そして、密度が低い状況では、私の大好きな手感度の釣りが成立し難くなります。
そんなわけで、当工房の看板でありシリーズ名の元となった『カワハギ斬-ZAN!! TypeHH』の強力な手感度『擦過シグナルの察知能力』を生かした釣りを展開出来る状況が少なめだったのです。
参考 : 奇跡の手感度は偶然から生まれた。
そんな中で大活躍したのが、軟調穂先とタメの効くブランクスで構成したロッド。
こちらは市販のロッドに合わせて当工房でカーボンソリッドを手削りして製作したカスタム穂先をセットしたもので、このアイディアが後に『カワハギ斬-ZAN!!-TypeM』の開発につながっていきました。
このロッドの利点は、
- 胴突き仕掛けの錘の位置を極力動かさずに、上の針と餌を小さく動かす操作がしやすい
- 大きな波長のアタリ、つまりラインの揺れを見える化してくれる
- カーボン穂先故に擦過シグナルがある程度わかる
の3点。
このうち1と2は「定点での誘い掛け」と「目感度釣り」です。
ここ2シーズンはカワハギの密度の低さを考慮して、これらをメインに組み立てることで厳しい中でもかなりコンスタントな釣果を出すことが出来ました。
カワハギの密度と競争心
ちなみに、この2シーズンの間に顕著だった「誘い掛け」と「目感度釣り」が有効になる原因は、繰り返しになりますが、やはり魚の絶対数の少なさからくる密度の低さです。
つまり、
- カワハギの数が少ないと、普段から餌の割り当てが多くなる
- 同じ餌を取り合う状況になり難いので競争心が働かずのんびり餌を食べることが出来る
ということ。
逆に密度が高ければ餌の割り当ては減り、取り合いになる為に競争心が働きしつこく餌を追う。
そんな状況では手感度が出やすくなります。
この辺りのことについてはこちらの記事でも詳しく解説しましたので併せてご参考下さい。
参考 : 新説!!魚の密度と釣り方の関係性
カワハギ釣りの戦略を大まかに整理してみる
ざっと2シーズンを振り返りつつ魚の密度と釣り方の関係をおさらいしましたが、ここからは少し具体的に戦略の立て方を整理してみることにします。
まずはシーズンの状況予測から
私の場合、まずは夏場の釣果情報等から、なんとなくカワハギの量を類推することからシーズンが始まります。
で、ここからパイロットパターンを選びます。(年間通して通っている場合は不要ですね)
例えば、初夏からの状況が非常に厳しく、日々の釣果が0~5枚程度で推移していた(昨年と一昨年はこれ)のであれば、
量は少ないかも → 定点系の誘い掛けと目感度中心パターンをパイロットとし、軟調ロッド、スピード系長ハリスをチョイス
となり、逆に夏場もトップがツ抜けることが多く、日によっては20枚~30枚なんて日もある様なら、
量は多そう → 手感度『擦過シグナル』の釣りをパイロットパターンとし、硬調ロッド、ハゲ針系短ハリスをチョイスする
となります。
現場での戦略の組み立て
全体の魚の量が多ければ、その日釣りをするエリアと仕掛けを投入する場所での魚の密度も濃くなっている可能性が高いのは言うまでもありません。
とは言え相手は自然ですから、どこもかしこもカワハギだらけ、という訳にはいきませんし、その逆も然り。
なので、現場ではパイロットパターンからスタートしつつも、更に状況を見ながら戦略を立てていくことになります。
順番に見ていきましょう。
①ロッドと仕掛け(主に針とハリス長)をチョイスする
これはパイロットパターンへの反応を見ながら行います。
○パイロットが硬調ロッドの場合
a. 手感度(擦過シグナル)が出る → 密度が濃い = 読みは合っている
b. 手感度(擦過シグナル)が出ない → 密度が低い = カワハギの動きは遅くなるので、軟調穂先ロッド、スピード系の針&長ハリスの方向へ
○パイロットが軟調ロッドの場合
a. 誘い掛け、目感度釣りが効いている → 手感度(擦過シグナル)は出ない → 密度低め = 読みは合っている
b. 知らないうちに餌が取られる、若しくは手感度(擦過シグナル)が出る → 密度が高い = カワハギの動きは速いので、硬調手感度特化ロッド、ハゲ針系、且つハリス長は短めの方向へ。
ちなみに当工房では、軟調穂先にもカーボンソリッドを使っているため、一定の擦過シグナル察知が補完され、状況変化のヒントが得やすいです。
参考 : カワハギの手感度アタリの新しい概念 →『擦過シグナル』をガッツリ深掘りしてみる
②レンジを探る
3本針のどこから餌が取られるのかを見ながら調整します。
もちろん自分の仕掛けだけでなく周りの人の仕掛けにも注目。
当然ですが、情報は多い方が精度が上がります。
○上から取っている
1.5メーター程度上から仕掛けをゆっくり下げつつ触りを探す
○下ばかり取られる
ボトムの釣りへ
なお、宙のサーチは餌の取られ方に変わりがなくても定期的に行うことで状況変化への対応が早くなります。
③横方向への追いの有無を見る
仕掛けの横移動時でアタリの有無を探ります。
○ずる引き系のアクションでアタリを探す
○ボトムバンプ系のアクションでアタリを探す
○錘一個分持ち上げたスライドでアタリを探す
○移動後のステイでアタリを探す
→ これらを試してアタリが無い場合はボトムでの誘い掛け、目感度釣りへシフトします。
④カーブフォールへの反応を見る
○キャスト → 着底後大きく高さを出してゆっくり3秒ほど掛けて落ちる、滞空時間のあるカーブフォールをさせる。
○小さなカーブフォールは滞空時間1秒程度。
双方とも滞空時のアタリ、着底直後のアタリ、着底ステイ、及び切り返しでのアタリを探す。
カーブフォールはキャストした際、定期的に行っておくことで状況変化のヒントをいち早く得られます。
⑤ハードボトムを探して釣る
カワハギは基本的に根や岩盤等の変化のある場所に居る事が多いです。
なので、常にハードボトムをサーチしながら釣ることで遭遇率を高めることができます。
特に夏から早秋には根から離れない個体も多く非常に有効です。
○ハードボトム内でアクションさせてアタリを探す
○ハードボトム内でステイさせてアタリを探す
※注:完全にステイさせてアタリを拾うには擦過シグナルに対するロッドの感度が必要。
ある程度広さのある根や岩盤等では、特に変化のある場所、例えばただ硬い平らな面よりもガリガリと引っ掛かりのあるような場所でアタリが出ることが多いです。
以上、具体的な戦略の立て方はこんな感じです。
常に魚の密度と追いとアタリの種類と有無、レンジの変化をヒントに組み立てていくのが私の考え方です。
『手感度』の定義を再確認
ところで、以前の記事でも触れましたが、カワハギ特有の手感度を『擦過シグナル』と分類して、その他の手感度とは区分しています。
それは”『手感度』を文字通りに手に感じられるアタリ全般” と考えてしまうと、言わんとすることがきちんと伝わらないからです。
参考 : カワハギの手感度アタリの新しい概念 →『擦過シグナル』をガッツリ深掘りしてみる
なお、カワハギの擦過シグナルを捉えやすいロッドを使用して適切な釣り方をしている方には、このシグナルがその他のアタリとは全く異質な物で有ることは既に理解されているはず。
なので、ここは読み飛ばしていただいて良いと思います。
しかし、『擦過シグナル』にフォーカスしていないロッドを使用していたり、釣り方が適切でない場合には一読いただきたいところ。
そんなわけで、当工房の定義する『手感度=擦過シグナル』とは以下の様になります。
- 穂先は全く動かず、手にだけ感じる微かなシグナルである。
- 擬音化すると「カサカサ」「カリカリ」「カスッ」「チリッ」等となる周波数の高い波動である。
ちなみにこれは、非常に小さなシグナルです。
ですから、例えばシャツの裾が風でパタパタしてロッドに当たったり、尻手ロープが船縁にぶつかったり、リールやリールシート周りのガタつきなどは禁物です。
なので、タックル周りの整理やメンテナンスにも気を使います。
いかがでしょうか?
『擦過シグナル』が非常に特殊な物で有ることがお分かりいただけたかと思いますが、これは逆に言えば、「このシグナルを見つけたら、その正体は間違いなくカワハギだ」ということ。
つまり、ベラやトラギスといった外道の多いポイントでカワハギを選んで釣る際には圧倒的なアドバンテージとなるわけです。
この辺のことについては他の記事にも詳しく書いていますので併せてご覧ください。
なお、このよう手感度の定義はあまり体系的に説明されていないので、同じ言葉を使っても話しが喰い違うというということがとても多く、上達の妨げにもなっているように思います。
そんな方は、是非釣行をご一緒して『カワハギ斬-ZAN!!- TypeHH』の圧倒的な感度を体感していただきたいところです!!
擦過シグナルの釣りは超楽しいですよ!!!!
まとめ
今回はカワハギの本格シーズン突入前に自分の頭を整理する方法について、魚の密度からの組み立て方を書いてみました。
今のところ、結構整理できていると感じていますが、なにしろ相手は自然と生き物。
まだまだ考慮すべきポイント、マスターすべき釣り方は無限にあると思いますから、引き続き精進精進して
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