前アタリって何だろう??
船のテクニカルな釣りと言えば、
「小さなアタリを察知するのが肝だ」
なんてことが言われます。
で、そんな話の中で出てくるのが『前アタリ』という言葉。
この言葉、改めて見てみると「アタリの前のアタリ」ということですから、なんのこっちゃ?? ですよね
あ~、そう言えば、サラリーマン時代に社内で申請書類を出す前に、これから申請を出すけど良いですか?っていう「申請の前の申請」って言う謎の手続きがあったなぁ(笑)
そんなことはさて置き、船釣りを始める前、私はフライフィッシングをしていたんですが、その頃の私にはたまに漏れ聞く「前アタリ」ってのは完全に謎の存在でした。
しかも、ネットを調べても明確な答えはおろか、体験的な記述も殆んど見られなかった為に、私の中で前アタリというワードは「都市伝説」くらいの怪しさを感じさせる、ある意味でオカルトだったのです。
船釣りで思い知らされた自分が感知出来ないシグナルの存在
初めて船釣りをしたのは、確か30歳前後。
船釣り専門(と言っても年に5~10回程度の釣行です)だった父のお供で、船シロギスに行ったのが始まりでした。
この時は「餌釣り? しかもシロギスだろ?」と完全に舐めてました。
しかしこの日、たまたまお隣には宿の名人が座っておられて(後で知った)、もちろんコテンパンにやられました。
その日の私は、手持ちのバスタックル(スピニング)で挑み、拾えるアタリは全て拾ったはず、の40尾ちょっと。
しかし名人は束越えのトリプルスコア近い数字で完敗。
今考えれば勝てる訳ないのは当然ですが、当時の私には衝撃でした。
特に終了前の一時間に至っては、名人連チャン、他はシーン。
????????????????????????????????????????????????????????????
です。
そして
「この違いは、きっと今の自分には感知出来ないシグナルがあって、名人はそれが判るからなのでは?」
と。
それまで私の中でオカルトでしか無かった「前アタリ」が、実は現実の物なのではないか?
という考えがふつふつと沸き上がってきて、残りの時間は名人の釣りをガン見したのを良く覚えています。
「前アタリ」はひとつじゃない
「前アタリ」は都市伝説じゃなさそうだ、ということに気がついた私でしたが、実釣でその存在を明確に掴むことが出来たのはそれから暫く経ってからでした。
最初にはっきりと「前アタリ」を気付かせてくれたのはカワハギ。
この時気づいた前アタリは、ゼロテンションから少し抜き気味にしてステイしていると、ほんの数ミリ微かにふわふわと穂先が揺れる。
いわゆる目感度アタリでした。
これが分かる様になると釣果は一気に伸びました。
ただ、前アタリはそれだけじゃなかった!!
もうひとつは、もちろん手感度アタリ=擦過シグナルです。
これらを初めて理解出来た日は感動と興奮で眠れなかった(笑)
「前アタリ」というのは結局のところ、魚が餌を咥えて頭を振った際に出るブルブルっという「誰もがわかるアタリ」以外の、注意していないと認識が難しいシグナルを総称したもの、と言うことになるのでしょう。
従って、それはひとつではなく対象魚や道具、釣法により大きく変わってくるのです。
「だから調べてもなかなか具体的な記述が無かったのかぁ」
と納得したのでした。
「前アタリ」の具体例
という訳で、前アタリにも色々あるようだ、という結論に辿り着いたんですが、これだけじゃ、若い頃の私が欲しかった具体的な情報がほとんど無い・・・・
なので、過去の自分に見せる積もりで幾つかの具体例を挙げておこうと思います。
ひとつ目は既にカワハギの記述でも少し触れたシグナル。
- 穂先が微かに揺れる → 目感度
- 手元に感じる微細な振動 → 手感度(擦過シグナル含む)
これら二つは特にカワハギに顕著ですが、他の魚でも感じ取れる場合が有ります。
特に低活性であればあるほど意識してみると釣果に繋がることが多々。
そして、もうひとつ。
- 穂先が微妙に入る、もしくは持ち上がる → モタレ
これはほとんどの釣りで常に意識しておくべきシグナルで、多くは魚が居食いしている状況で発生します。
更に極めると、魚が近くを泳ぐ水流の変化なんかもモタレや目感度に表れたりしますよね。
まとめ
今回は前アタリというものについて、私の実体験に基づいて書いてみました。
まとめると、
- 前アタリはいわゆる「アタリ」と誰もが思う大きなブルブルより小さなシグナルである。
- 前アタリは大きく3つのシグナル「目感度」「手感度」「モタレ」に分類される
ということになりました。
そして忘れてはいけないのが、これらのシグナルを捉える為にはアングラー側のロッドコントロールがしっかり出来ていると言うのが前提だということです。
どれも微細なシグナルですから、アングラーが雑な動きをしていては搔き消されてしまうのです。
その為には基礎的なグリップときちんとしたフォームに基づいて、ラインとロッドをコントロールすることが絶対条件となります。
参考記事 : 釣果が安定しない人必見!!基礎固めでこっそり上達!?
実釣で「目感度」「手感度」「モタレ」がピンと来ない、という方は是非基礎部分の見直しをしてみてください。
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