船小物釣り上達の絶対的な秘訣!!G.F.A理論とは【前編】
釣りというスポーツ、特に船釣りにはきちんとした基礎理論が無く、非常に感覚的、且つ曖昧な世界であると感じることが多いです。
例えば用語ひとつ取っても、その定義がハッキリしていないこと多数。
なので、それを使って状況やテクニックを解説したとしても、受け手によって意味が変わってしまい結局は上手く伝わっていない、なんてことはザラです。
そこを整理し、全体的なレベルアップと、それに伴う船釣りというスポーツのステイタスの底上げができたら!!
それが私がこのブログを始めた理由のひとつです。
言語化されてこなかった釣りの基礎理論
そんな中でも、最も重要な項目として提唱しているのが『G.F.A理論』。
このG.F.A理論については以前の記事の中で初めて書いたんですが、大変反響をいただきました。
参考 : 釣果が安定しない人必見!!基礎固めでこっそり上達!?
ちなみにG.F.A理論とは、
- G = グリップ(Grip) ・・・ ロッドの持ち方
- F = フォーム(Foam) ・・・ 構えと姿勢
- A = アングル(Angle) ・・・ 竿先とミチイトの角度保持
の3つを正しく行うことで、船釣り、特にテクニカルな小物釣りの上達を容易にする超基礎のことです。
まだまだ一般に広く知られているわけではありませんが、名人クラスのアングラーは例外無くG、F、Aの三つが満遍なく出来ている、ということだけは確実。
つまり小物釣り全般について “センスが良い人” というのは、G、F、Aの3つが自然とできている人のことを言うのです。
であれば、テクニックについて「頭でわかっていてもなかなか上手くできない」という場合にはG、F、A、のどれかに問題が無いかがを疑ってみると解決の糸口を掴めることが多いです。
ちなみにこれ、感覚的にわかっている人も今まであまり言語化・明確化してこなかったことなんだと思います。
ですからここで一度体系的にまとめておこう、ということで今回の記事を書くことにしました。
G.F.A理論を徹底解説する
G.F.Aはもちろん超基礎ですから、部分的には既に出来てきる方も多いでしょう。
全て出来ている方は次のステップ、つまり個別のノウハウを身に付ける段階です。
しかし『長くやっているのに釣果がなかなか安定しない』、『釣りものが変わると全く手も足も出ない』等の症状のある人はG.F.Aのどこかに問題を抱えていることが考えられます。
この状態で個別の細かいテクニックばかり追いかけてもなかなか身に付きませんから、「そんなの知ってるよ」と馬鹿にせず、まずは確認してみてください。
何事においても
『物事を身につけるには、まずは全てに共通する理論(セオリー)に基づく基礎作りが最優先で、その土台の上に個別の技術やコツ(ノウハウ)が乗っかってくる』
というのが順序になります。
野球に例えれば、キャッチボールが満足に出来ない状態で、いくら教わってもフォークボールが投げられないのは当たり前ですよね。
こう言えば「そりゃそうだろ」となりますが、船釣りの世界ではフォークボールの投げ方ばかり追い求めて泥沼にはまってしまう人がたくさんいます。
つまり、セオリーとノウハウの区別が付いていない状態。
基礎、基本と称した様々なコンテンツも、そのほとんどがこのノウハウで構成されているのでそうなってしまうのも頷けます。
なので、是非ここでノウハウの前に絶対に必要な『セオリー』を身に付けてみてください。
それでは、基礎中の基礎であるG、F、Aについて、順を追って解説していきましょう。
G = グリップの基本
まず一番始めに確認したいのがグリップ、つまりロッドの持ち方です。
当たり前過ぎて軽視しがちですが、ここが間違っていると先に進めませんから順番にいきますね。
それから、とりあえずここでは船の小物釣りで最も用いられているベイトリールでお話を進めます。
ロッドの持ち方で悪い例と言えば、釣りをされているみなさんならすぐに思い浮かぶ「芸能人持ち」。
なぜか竿尻を握ってしまう例のやつですが、あれの何が悪いかといえば、パワーロスが激しいことでしょう。
ラインからの力が掛かっている竿先、つまり作用点から最も遠い場所になるのが竿尻で、ここだけを持つと途中に支点がありません。
わざわざ負荷の大きくなる位置だけを選んで持っていることになり、これがダメなのは誰でも一目瞭然。
っていうか、普通に超持ち難い(笑)
では何が正解かといえば、お分かりのとおりリールを包み込むように握るパーミングですね。
竿尻より作用点(ロッドの先端)に近く、リールが付いているのでロッドの中で一番太い場所となるリールシートが結果的に最も楽に握れて、且つ安定する場所になるのです。
もちろん、この時にトリガーに指を何本掛けるのかというような部分は、手の大きさや好みによって変わります。
ここで気にしなくてはいけないのは
・ロッド操作時に楽に持てること
・巻き上げ時に楽なこと
の二点。
片手でグリップを作り反対の手を補助として他の場所に添える方法(スナイパー持ちなんかもこれです)も幾つかありますが、共通しているのはやはり「楽」という点です。
ちなみに人によっては、お使いのロッドのリールシート形状がしっくりこない、なんてこともありますね。
そんなときはカスタムという手もありますから、是非当工房にご相談ください!!
F = フォームの基本
グリップを確認したら次はフォームです。
経験上、ここから上手くできていない人がぐっと増えてくるので、自信の無い方は普段のフォームを鏡で見てみましょう。
チェックポイントはロッド操作時の構え方と姿勢の二点です。
一番良いのは釣り姿を動画撮影してもらうこと。
釣行時にお仲間にお願いしてみるのがオススメです。
★ロッド操作時の構え
客観的に確認できる状況になったらまずチェックしたいのがロッド操作中(巻き上げ時は除く)の構え方。
具体的には「肘当て&固定無し」と「脇挟み」、そして釣りものによっては「スナイパー持ち」の様な構えがあります。
①脇挟み
このうち脇挟みタイプは、最も力を入れやすいのでパワー系の釣りにはとても理にかなったフォームです。
が、竿尻が脇、つまり体に固定され、手首の自由度が低くなる分、どうしてもロッドのコントロール性が下がるというデメリットもあります。
また、カワハギやマルイカでの早い叩きの動作をすることは殆ど不可能です。
画像の通り、掌と脇の二点の位置関係から自然と竿先が下がりやすく、それゆえにアングルが鈍角に振れやすくなる(詳細は後編で解説します)のが特徴です。
なのでご自分が脇挟みタイプだったら注意が必要です。
②肘当て&固定無し
「肘当て&固定無し」フォームは手首の自由度が高く、コントロール性に優れています。
ちなみに私の場合だと、錘がボトムに着いている時には竿尻はほぼフリーになり、負荷が掛かると肘に当てて支えてやるイメージです。
このフォームでは、ロッドが自然に水平から若干上向きになることも特筆すべき点。
アングルコントロール(後編で解説)においてもとても優れています。
更に、負荷が掛かる際にも肘に当てず手首の力でホールドするフォームを取る人もいます。
これは、掌が大きく握力のある男性に多いフォームで、もちろんコントロール性はバツグンです。
ただこれは、竿尻の固定が無いために意識していないとどうしても竿先が下がりやすい、角度を保つのに手首の力が必要になる、という特徴がありますから誰にでも向いているフォームではありません。
③スナイパー持ち
カワハギ釣りで有名になった「スナイパー持ち」ですが、私もカワハギや湾フグで愛用しています。
コントロール性で言うと、誘い下げ時、及びステイ時の安定感には特質するものがあります。
ただ、全てのシチュエーションにマッチするか、というとなかなかそうはいかない。
例えば早いピッチの叩きを行う場合や、連続して素早いリトリーブが必要な場合にはあまり向きません。
なので、カワハギ釣りの中でもロッドの操作方法毎に「肘あて&固定無し」と使い分けています。
なお、このような両手を使う構えには色々な利点がありますが、私が愛用する一番の理由は “手首と肘の負担が非常に少ない” からです。
この持ち方の他にも、空いた手をロッドに添える持ち方は色々有り、これらは両手に負荷が分散されるので、手首と肘の疲労が大幅に減ります。
なので、腱鞘炎にお悩みの方はこれ等の持ち方を試されると楽になると思います。
そんなわけで、3つの基本フォームを見てみました。
ここで言えることは、脇挟みスタイルのみでは対応範囲が狭すぎる、ということ。
もちろん脇挟みでも、縦軸、且つ宙での釣り(ライトアジ、太刀魚等)だけに限れば、きちんとロッドコントロールをしている達人はいます。
ただ、ボトムを釣る場合やキャストの要素が入ってくると脇挟みだけではなかなか対応できません。
ですから、脇挟みが基本フォームとなっている人はロッド操作時には肘当て& 固定無し、ができるように練習されることを強くお勧めします。
コントロールのしやすさを考えれば、有利な方を選ぶのが早道でしょう。
★姿勢
構えができたら、次にチェックしたいのが姿勢。
ポイントは “無理な姿勢になっていないかどうか?” です。
せっかくコントロールしやすい構えを身につけても、実釣時の姿勢に無理があっては元も子もありません。
特に良くないのはロッドを持った手を必要以上に高い位置にあげてしまうこと。
これでは無駄な力が入って疲れますし、船の上下動にも着いて行き難いですね。
構えで理想的なのはロッドを持った腕を少し体から離す、つまり脇を開けてやる形です。
具体的には体から45度前後の間隔をとってやります。
注意点は、この時腕をあまり前に出さないこと。
脇を閉じたところから真横に45度開いた状態が理想です。
こうすることで腕全体、特に肩を稼働させることができて自由度が上がりますし、肩から体幹に向かって負荷が分散されるので手首と肘への負担も軽減されます。
また、アングルの保持にも非常に有利で良いことずくめです。
なお、私はイイダコやシロギスの際に、二本竿で座って釣るスタイルをとるので、船縁の高さとの関係で少し高目の60~最大90度前後に開くこともあります。
参考 : つり情報チャンネル【イイダコ釣り】スッテの達人はなぜイイダコが釣れるのか?in東京湾
ということで、長くなるので前編はここまでとしましょう。
後編はG.F.A理論の中で最も重要、且つできていない人が大変多いアングルについて解説していきます。
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