イイダコ釣りの技術は全ての釣りに通じる!!

DSC_4121

例年9月の声を聞くと、東京湾では秋の風物詩であるイイダコ釣りが開始となります。

とはいえ、最近は個体数が減少傾向にあってこの限りでなくなりつつあり、昨年の2020年は開始時期が大幅に遅れたりと心配な側面も・・・・

これは水温や水質、地形といった環境の変化に依るものじゃないか、と考えられている訳ですが、まぁ、その辺りのことは今回はちょっと置いておいておきましょう。

ところで、今期(2021年)はここ数年の中では少し良さそうな感じ!?

なので、今回はイイダコ釣りの技術に詰まった『釣りの基礎』について書いてみたいと思います。

イイダコの釣り方

先ず始めに、イイダコ釣りをしたことが無い方がイメージしやすいように補足から。

タコやイカといった軟体系の釣りものは、大まかに言うと、

  1. 疑似餌に抱きついて来たところを察知
  2. アワセを入れて針の方に滑り落として掛ける
  3. 巻き上げる

の3段階になるかと思います。

で、ポイントは1の察知の仕方です。

イイダコは基本的にボトムべったりに居ますから、テンヤやスッテといった疑似餌もベタ底で操作します。

ボトムにある疑似餌にイイダコがちょっかいを出して来るんですが、魚のように引っ張ったり、持ち去ったりするような動きはありません。

抱きついてくるだけ。

なので、いわゆる「アタリ」というものがありません。

では、アタリが無いのにどうやって察知するのか?というと、疑似餌を持ち上げて重さの変化を見るんです。

これがイイダコの乗りを見る動作、一般的には小突きと言っている動作になりますね。

一連の動作を少し詳しく書くと

持ち上げたら重い → 乗ってるかも? → 糸ふけを取って → アワセを入れて掛ける → リールを巻く

となります。

緻密さが求められる仕掛け操作

先に書いた通りイイダコは基本的に底棲です。

したがってテンヤやスッテといった道具を大きく持ち上げてばかりいると乗っかってくる暇がありません。

かといってアタリは無いわけですから、道具を海底に置きっぱなしで乗っているのかを察知することはできません。

なので、イイダコが乗っかれる範囲、且つ釣り人側が察知できる範囲のギリギリを見極めて道具を持ち上げる必要が出てきます。

このギリギリの持ち上げ範囲を具体的に数値で書くと『海底から3cmまで』。

イイダコ竿の軟調な穂先をじんわり曲げ「これ以上曲げると錘が持ち上がっちゃう」という位置を見極め、そこから更に3cm分持ち上げてみる。

この3cmが持ち上がらなくなった場合はイイダコが乗っている可能性が出てくるので、アワセに移っていきます。

この一連の動作こそがイイダコ釣りの最も肝となる部分。

この動作を単に『小突き』と表現してしまうと、人それぞれが思う小突き方になってしまって、大き過ぎたり小さ過ぎたり、になるのでここは敢えて数値で示すのが分かりやすい。

非常に小さく緻密な操作が要求される釣りが故に、数の多い年にはトップが200杯でスソが10杯なんて言うような大きな差が開いてくるわけです。

イイダコ釣りで見える釣りの基礎力

このように、イイダコ釣りでは小さく緻密な動作が要求されます。

3cmをコントロールるすというのは数字だけみると、ちょっと難しそうに感じるかもしれません。

なので釣りの基礎力が大きく問われることになるんです。

一言でいえば、

ロッドコントロールがきちんとできているか?

となりますが、これは私が提唱している釣りの基礎となる『G.F.A理論』そのものとも言えます。

参考 : 釣果が安定しない人必見!!基礎固めでこっそり上達!?

軟調の穂先を利用してじんわりと小さく道具を持ち上げるには、理に敵った竿の持ち方(グリップ)、船の揺れを相殺できる安定したフォーム、穂先とラインの角度(アングル)調整が出来ていることで、3cmをコントロールする事がとても簡単になってくるのです。

逆に言えば、イイダコ釣りですんなり好釣果を出せたり、最初から釣り方がしっくりくるようなら「釣りの基礎力」がかなりついているということにもなりますね。

重さの変化に対する感度

ここでちょっと補足というか、最近特に感じていることを書いてみたいと思います。

それは感度の種類のお話し。

カワハギの関連記事で何度も触れていますが、現在感度と言えば大きくは

  • 手感度
  • 目感度


の二つで語られる事が多いと思います。


参考 : カワハギの手感度についてガッツリ掘り下げてみる


しかし、手で感じられれば全て『手感度』、目で見えれば全て『目感度』としてしまっていると、なかなか上手く伝わらない。

既に述べたようにイイダコ釣りにはアタリが無く、察知すべきシグナルは持ち上げた時の重さの変化と軟体系特有のムニュっとした感触です。

この時、穂先の曲がり方の変化は目で、重さは手で感じ取り、ムニュも手で感じ取ります。

マルイカ釣りで非常に重要な要素となる『乗り感』は重さの変化で、イイダコでもアワセを入れた際の重さで最終的な乗りの有無を判断していきますからここは共通点ですね。

この『乗り感』も手で感じ取るものですが、『手感度』としてしまうと混乱します。

更に中層を釣っていくアジ釣り等においては重さの変化は上級者にとって非常に重要なシグナルになっています。

これは単に魚が触った変化だけでなく、錘やビシが受ける潮流を重さの変化として感じ取るもの。

このシグナルを受け取るのも手ですが、カワハギの手感度なんかとは全く異質です。

こうなってくると、この様な感度について何かしっくりくるネーミングが欲しいなぁ。

モタレ感度? 重さ感度? 圧力感度? 水流感度?(笑)

この様に、単に「感度」と言っても複数の要素があるので、無理やり既存の言葉に押し込めるのではなく、よりしっくり来る伝え方ができれば!!

ちなみにロッドビルダー的に言うと、これら様々なシグナルをアングラーに伝えるため、材料の選定と調子の選択をしていくわけです。

なので、そのロッドが何を目指しているのか?つまりコンセプトをはっきりしておかないといけないんですね。

まとめ

そんなわけで、今回はイイダコ釣りのロッド操作の緻密さと釣果の関係について書いてみました。

あとは今シーズンの東京湾イイダコの豊漁と今後の資源量の安定を願うばかりですね。

最後は少し脱線しましたが、重さに対する感度はこれからも突き詰めていきたいと思います。

Follow me!