【ライトアジ】エキスパートの道具と考え方
ライトアジの新しい考え方と方法論を確立したO.F.Fの工藤テスター。
参考:革命!!速攻のLTアジ釣り『ライン引き』と『喰い芯』とは何だ!?
参考:LTアジ釣りでアベレージ200尾超え!! 革命的 工藤流 速攻メソッドとは!?
そんな彼には、道具に関する質問が寄せられることが結構あるそうです。
確かに釣果向上を望む時、まずエキスパートがどの様な道具を使っているのか?というのは気になるところですよね。
ということで、今回はそんなニーズにお応えすべく、工藤氏の使用している道具とその選定基準について、根掘り葉掘り聞いてみました。
工藤テスターの使用する道具
では早速道具についての質問と回答から端的にいきましょう。
Q1 使用ロッドは?
→ O.F.F LTアジ斬-ZAN!!- プロトタイプ
Q2 使用リールは?電動?手巻き?
→ 手巻き「ダイワ アドミラ」
→ 電動「シマノ フォースマスター400」
Q3 ロッドキーパーは使う?
→ ダイワのライトホルダーを使用
Q4 ミチイトの号数は?
→ 手巻き、電動共に 1.2号でリーダー6号を接続
Q5 仕掛け周りは?
・仕掛け→ 主に市販仕掛けを使用
・天秤→ チドリ天秤等のストレートなもの
・クッションゴム→ 使用しない
Q6 コマセビシは?
→ 40号メインに数種類使い分け。50〜60号もいくつ か持ち歩いている。
ということで以下、個別に解説していきます。
【解説】Q1 ロッドは何を使ってるの?
これはいうまでもなく、工藤氏の完全監修で製作しているO.F.Fの『LTアジ斬-ZAN!!-』のプロトです。
このLTアジ斬-ZAN!!-は『ライン引きでのコントロール性能』と『喰い芯を捉える感度』に重点を置いていて、 “胴の強さ” と全体的な “しなやかさ” を両立すべくテストを繰り返し完成させました。
現在、テストは完了し製造できる段階に入っていますが、世界的な材料の供給難により遅れている状況(2022年4月現在)です。
また工藤氏をはじめとしてエキスパートの皆さんが「今後は、アジも竿を2本持ち込む時代になるんじゃないか?」と言っています。
これは、カワハギ等と同様、アジの活性、潮流や水深などによるパターン変化にアジャストしやすくするために必要になるということ。
調子の違うロッドを使い分けることで、釣法の多様化による様々な楽しみ方が注目されていく、ということにもなるでしょう。
「攻めのLTアジ釣り」の世界が広がっていきそうでワクワクしますね。
【解説】Q2 リールは何を使ってる?電動リールは必要?
ライトアジ釣りでリール選びに迷う一番のポイントといえば電動リールと手巻きリールのどちらが良いのか?ということでしょうか?
特にこれから道具を揃えようと考えている人には悩ましい問題で、質問も多いようです。
で、これは結論からいうと「どちらでも良い」が最終回答。
東京湾奥のLTアジ釣りで攻める水深は、20メートル前後が多く、浅ければ10メートル、深くても40メートル。
なので手巻きでも何ら問題無いわけです。
工藤テスターは電動リールも手巻きリールも使いますが、電動を使う主な理由は以下の3点です。
- ①ヘビータックル時代からの名残でなんとなく
- ②自身の店(釣りバカ一代)で食材として使用するために2本竿でガツガツ釣らないといけない場合があるため
- ③疲れの軽減
特に②については仕入れを兼ねる氏のならではの事情で、釣り方、テクニックには何ら関係が無い。
ですから、普段手巻きリール使用の釣りをしている人は手巻きを流用すれば良く、小型電動を多用する釣りをしている人はそれをそのまま持ち込んだら良く、特に優劣は無いということです。
手巻きでも『カウンター付きが良いか?』という疑問も多いですが、これについても好みで構わないと。
一度、氏の道具を借りて釣りをした際に驚いたのが、カウンターがまるっきりデタラメだったこと。
PEラインを自分で巻き替えた際にセッティングをやっていなかったらしく、実際の水深が25メートルあるにもかかわらず、カウンターの表示が16メーターに・・・・
びっくりして聞いたら、「あ〜、ぜんぜん見てないから気づかなかったわ」と・・・・
これは以前の記事でも触れていますが、水深の数字のみで棚を合わせていくことをしていないからです。
実釣時には、ラインマーカーやハンドルの回転数をだいたいの目安にする程度で、都度触りがある位置、食う位置を探して組み立ていくので、カワハギの宙釣りや、バーチカルに探ってくる太刀魚なんかに通じるところがあります。
もちろんカウンターは目安として使えますから、あっても良いわけで、これは人それぞれになるでしょう。
まぁ、工藤氏は極端な例ではありますが(笑)
ただ気をつけたいのは、カウンターの数字だけに頼ってしまうこと。
これだと、魚のシグナルを探しにいかなくなりがちで、状況変化への対応が遅れます。
参考:革命!!速攻のLTアジ釣り『ライン引き』と『喰い芯』とは何だ!?
なお、50メートルを超える深場を攻める釣り場をターゲットに入れる場合には、小型電動があると手返しの面で大きな武器になります。
【解説】Q3 ロッドキーパーはあったほうが良いの?
工藤氏が使用しているのはダイワさんのライトホルダーで、電動リール、手巻きリール、どちらで釣りをする場合でも必ずロッドキーパーを船縁に装着しています。
その理由は?
と言われると、これもヘビータックル時代の名残だとのこと。
もう一連の動作がキーパーに掛けて行う前提になっていて深く考えずにやれるから、というのが一番の理由。
再投入時にロッドから目を離しても落下の心配が無いので、その間に手を拭いたり、手元の整理をしたりできるのも良いと。
また、疲れた時、食事をとる時等にキーパーに掛けて置き竿で釣ることも。
さらに、Q2で解説した2本竿で釣る場合には、一本は置き竿になるので必須です。
【解説】Q4 ミチイトは何号を巻いてるの?
工藤氏が使用しているPEラインの太さは手巻き、電動共に1.2号で、取り込みと再投入時の穂先絡みや天秤との絡みを防止する為に6号のリーダーを接続しています。
太すぎず細すぎず、のチョイスですね。
ライトアジの場合、魚のサイズとパワーだけを考えると0.8号から使用は可能ですが、中層で一日中シャクリの動作を行う釣り物では高切れのリスクが付き纏いますので1号以上が安全で、太すぎはお祭りの原因になります。
なおリーダーの使用についてはよく議論になりますが、アジ釣りで根ズレが発生することはほぼありませんし、1号以上のPEを使用している分には付けなくても結節強度的な問題は無いようです。
ちなみにミチイトについては、船宿により『2号まで』としているところと『1.5号まで』としているところがあるので、メインで通う宿のレギュレーションを確認しましょう。
【解説】Q5 仕掛けまわりについて
〇仕掛け
現在は主に市販品を使用しています。
ハリスが1号と1.5号のものを数種類用意しますが、2本針のものが好みとのこと。
これは、3本針仕掛けでダブルを狙うより、2本針仕掛けでパーフェクトに掛けてくる、というゲームを楽しむためだそう。
また、最近は1号ハリスの仕掛けが市販されるようになってきたことで、自作する必要がなくなったと。
欲をいえばハリス1.2号や、針のカラーと号数・形状、を変えたものがあると最高で、この辺りは仕掛けメーカーさんが動いてくれるとありがたい、と。
年齢的にも結ぶのがキツくなって来てますからね(笑)
〇天秤
ストレートタイプを愛用。
これは、コマセを線状に出しその中に仕掛けを通してくる、というライン引き釣法のメカニズム上、どちらかというと弓形は不向きだからです。
具体的には長年チドリ天秤を使っています。
更に、潮の動きにより腕の角度を調整することもあり、ストレートが向いています。
〇クッションゴム
クッションゴムは装着していません。
ドラグ調整をしておくことで通常サイズのアジには対応できてしまうので、特に必要性を感じないからと。
もちろん40センチ超えの大アジをメインにする釣り場や50メートルを超える深場に行く際には、大型の外道が掛かることもあるので使用するそうです。
【解説】Q6 コマセビシについて
ライトアジではほとんどの船で40号のビシを指定していますが、形状はメーカーにより様々なものがあります。
工藤氏はこれらを数種類持ち歩いていて、どこかのメーカー一択のような考えはないそうです。
その理由のひとつは、ビシの形状により引き重り、つまり潮の抵抗が変わる、という点。
抵抗が大きいと、水中の流れの変化、つまり『喰い芯』の存在を捉えやすくなります。
また、引き重りが変わるということは、ビシの動きが変わるわけで、それによりコマセの出かたに違いが出てきます。
工藤氏は、コマセをなるべく線状に出すことを意識していますが、ビシが跳ね上がるような動きになると、どうしてもコマセが一点に濃く出てしまいがち
なので、それを避けるためにスウィープなアクションを心掛け、その微調整にビシを変更することが有る、と。
もうひとつは使用するビシの目の幅によってコマセの出方を調整するという一般的な理由です。
まとめ
ということで、工藤テスターの道具について詳らかにしてみました。
始めたいと思っている方の道具選びの参考になれば嬉しいです。
と同時に、エキスパートが何か特殊な仕掛けや道具を使っているわけではないのがお分かりいただけたかと思います。
(もちろんロッドは最高ですよ!!)
やはり大切なのは基礎的な理論と技術で、これをひとことでいうと「釣り方」。
既にライトアジ釣りを始めている方は、この部分を忘れずに楽しんでいきましょう!!
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