船シロギス釣りの極意は『誘い掛け』にあり
当ブログで主に “カワハギの攻略に欠かせないもの” という位置付けでたびたび紹介している『誘い掛け』。
参考 : カワハギ釣りに悩んだらまずこれをやれ!!最強メソッド『誘い掛け』とは!?
ですが、実はこの考え方は、カワハギだけでなく、他の多くの釣りにおいて、釣果向上にとても重要なものです。
そして、これを使用することで最も釣果向上を実感出来る船釣りターゲットのひとつがシロギスでしょう。
もちろん、元来数が釣れるシロギスですから、状況が良ければそんなことまで考えずともそれなりの釣果を得ることは可能です。
が、手練れの釣り人は倍〜3倍なんてびっくりするような成績を出していたりもします。
この成績の差に大きく関係しているのが『誘い掛け』です。
しかし『誘い掛け』を感覚的に理解するのは意外と難しかったりします。
また、実は既に『誘い掛け』に類する釣り方や動作を行っていても、そのことを特に意識せずにいる場合も多々あります。
もちろん釣りに対する考え方は人それぞれですから、きちんと結果が出ているのであればこのような分類をしなくても一向に問題はありません。
しかし、もしあなたが伸び悩んでいたり、釣り方に疑問があったり、実釣中に混乱することが多いのであれば、この記事が大いに役立つはず。
ということで今回は、東京湾の数釣り入門とも言われるシロギス釣りに『誘い掛け』を当てはめて、この釣りでの成績を伸ばすとともに、小物の数釣り全般でのレベルアップも同時にしてしまおう、とう欲張りな記事となっています。
●シロギス釣りはそもそも競技の釣りの代表格だった
個人的なことになりますが、私が船釣りに目覚めるきっかけになったのがシロギス釣りでした。
10代中頃から20代の大半の期間、ルアーフィッシングとフライフィッシングにのめり込んでいた私は、20代後半になり父に誘われてシロギス船に乗ったのですが、そこでたまたま隣り合わせた名人の技量に圧倒されたのです。
名人が二本竿を巧みに操り次から次にシロギスを掛けていく様は、当時の私からすれば魔法。
乗船前には「しょせんは餌釣りだろ?シロギスだろ?」なんて舐めていた自分の考えを完全にブッ飛ばされ、この日から一気にシロギス釣りに傾倒することになりました。
ところで、船のシロギス釣りといえばかつては競技の釣りの代名詞でした。
実際に船釣りの大会はシロギスがメインであり、非常にステイタスが高かった。
各宿には名人が居て、大会に向けて腕を磨いていたのです。
現在のカワハギ釣りと同じですね。
しかしいつの頃からか、入門向け、ファミリー向けという側面ばかりが強調されるようになります。
確かに数がたくさん居るシロギスは、あまり突き詰めずともそれなりの数が確保できるので入門やファミリー層には最適です。
が、このとっつきやすさが災いして、シロギス釣りのテクニカルな側面が段々と忘れられていき、そのステイタスは低下し続けて今に至ります。
※もちろん他にも原因は色々あり、個人的に思うところも多々あるのですがここでは割愛します。
事実として近年の船釣り入門者には、シロギスのテクニカルな側面、競技的な側面が全くといっていいほど届いていません。
そんな人たちにとって船シロギスはもはや、一部のマニアックな人の間で行われている “クラシカルな釣り” であり、下手をすると「あんなの初心者向けの簡単な釣りだろう?」程度の認識だったりもします。
しかし、かつては競技の釣りの代名詞であり船釣りの華だったのがシロギスです。
時間の経過だけで楽しさやテクニカルな要素が無くなってしまうわけがない。
つまり変わったのは人の意識だけ。
そしてひとえにそれは “ただ伝わっていないから” というだけなのです。
そう、シロギス釣りは昔も今もテクニカルで最高に面白い数釣りターゲットに間違いありません。
●試行回数の多さ = 上達への早道
シロギス釣りの良いところのひとつは、とにかくターゲットとなるシロギスの個体数が多いこと。
数が釣れるかどうか?ではなく、まずは魚の数の多さが重要です。
それはどういうことかというと
数が居る → 答え合わせの回数が多い
ということになるからなんです。
順番に考えてみましょう。
『魚の数 × 針掛かり率 = 釣果』を理解する
さて、船の周りに魚が少ない状況とたくさんいる状況では、どちらがあなたの投入した餌に食いついて来そうでしょうか?
もちろんこれにはほとんどの人が感覚的に「数が多い方」と答えると思います。
ではここからは単に魚の数ではなく、仕掛けと魚が遭遇する回数、そして海底に置かれた餌に食いついて針に掛かってくれる確率、と分解して考えてみます。
置かれた餌に掛かってくれる回数は、言い方を変えれば “勝手に釣れてしまう確率” とも言えます。
この勝手に釣れてしまう確率を仮に2%としましょうか。
この場合、仕掛けとシロギスが遭遇する回数が1日に1000回あれば、特に何もしなくても20匹はゲットできるということになります。
ベースになる遭遇回数が多ければ多いほどお土産の数が自動的に増えるわけです。
シロギスがたくさんいる魚だからこそ誰でも一定数の釣果が確保される。
これが「初心者向け」や「ファミリー向け」と言われる理由です。
スキルアップが数字に表れやすい
ではここで、遭遇する回数を試行回数と読み換えてみましょう。
試行回数とは、トライ&エラーの回数です。
釣行1回あたりでトライ&エラーをたくさん試行できるわけですから経験値を積み上げやすいのは必然。
腕を磨くのに最適というのはここにも理由があります。
特に釣り方を覚えていく段階では、試したことに直ぐに答えが返ってくることはとても重要です。
なぜなら、答えは魚が釣れた数によって証明されるからです。
答え合わせをたくさんすることは、すなわち反復練習でもあります。
こうして経験値を積み上げて得たスキルで、針掛かりの率が上がれば、それが今度は成績としてはっきりと現れます。
先程の例を用いれば、試行回数は1日に1000回、仕掛けを放っておいた場合の針掛かり率は2%で最低20尾が確保できそう、と言う感じでした。
では釣り方を工夫して針掛かり率を上げたらどうなるのか?
5%に引き上げると、なんと釣果は一気に50匹にまで増加します。
更に頑張って10%に上げてやれば100匹、つまり束釣りです。
このように母数となる試行回数が多いことで、自身のスキルアップが”数字”という非常にわかりやすい形で現れてくるのです。
何事においても「上達を実感しやすい」というのはモチベーションを保つ上ではとても大切なこと。
『魚の数が多い』ということがとても重要である意味がお分かりいただけたかと思います。
●船釣りならではの基礎を知ることができる
船のシロギス釣りは、陸っぱりの釣りと船釣りの決定的な違いを認識してレベルアップするのにとても良い教材となります。
シロギスはご存じのとおり海底付近に生息している魚です。
もっと詳しく見てみると、海底から数センチ〜20センチ程度の範囲を泳いでいます。
ですから、釣りの際にはこの範囲を狙っていくことになります。
つまり、仕掛け操作の基本は錘を海底に付けた状態から、となるわけです。
また、海底付近を活発に動き回る魚ですから、仕掛け操作も横移動を意識することが多くなります。
このように、海底に錘を付けること、および横の動きを重視する船釣りの場合、絶対に意識しておきたい基礎知識が『船の動き』です。
船の速度と仕掛けの速度
当たり前のことですが、船は水の上に浮いています。
ですから車のようにブレーキを踏んだらその場に止まる、なんてことは絶対にありません。
放っておけば風や潮に流されて移動していきます。
この船の動きを調整して釣りやすいようにするのが遊魚船の船長の仕事で、これには大きくふたつの方法があります。
ひとつは錨を入れて船を止めてしまう方法、そしてもう一つは釣りやすい速度を保ちながら流れていく方法です。
この辺りのことについてはこちらで詳しく解説しているのでご参考ください。
参考 : 気付けばもっと釣れる!!陸っぱりと船釣りの決定的な違い
シロギス釣りでは、船はほとんどの場合流しながらポイントを広く探っていきます。
そのため海底に置かれた仕掛けは、船が流れる方向とは逆に置いていかれるかたちになります。(もちろん潮が極端に速い場合などはこの限りではありませんが、ここではその点は置いておきます)
そして、仕掛けはミチイトで船上の釣り人と繋がっていますから、糸を出すか竿先を送ってやらない限り船に引っ張られていきます。
これは言い方を変えれば、釣り人が操作をせずとも船が仕掛けを一定の速度で操作している、ともいえます。
これこそが船釣りの大きな特徴のひとつです。
そして、シロギスという魚は仕掛けの横移動にとても敏感。
ちょうど良い横移動の速度を見つられるかどうかでアタリの数と針掛かり率が変わってきます。
例えば時速Xキロで動く仕掛け(餌)に対するシロギスの反応が最も良い時、船がこのXキロで流れていたとすれば、釣り人は余計な操作をせず、仕掛けを船に引っ張って貰うだけで簡単に釣ることができます。
しかし 2分のXキロ、つまり最適な速度の半分で船が動いている場合はどうでしょう。
この場合は、当然釣り人が最適な速度になるように仕掛け操作をしてやることでより釣果を上げやすくなります。
これらはとても単純化した例ではありますが、船の移動速度込みで仕掛け操作を考えてやることは、シロギスだけでなく横の操作を含む多くの釣りでとても大切な要素になります。
これを逆に考えれば、シロギスを思うように釣ることができるようになれば、他の釣りも上達する、ということになってきます。
●シロギスは誘い掛けで釣る
ここまでシロギス釣りの面白さや位置付けなどを書いてきましたが、これらを踏まえた上で今回の肝となる『誘い掛け』のお話しに移っていきましょう。
まず『誘い掛け』の概念をひとことで説明すると、
『釣れる誘いを見つけて数を伸ばすこと』
となります。
もっと深く知りたい、という方はこちらも是非ご一読ください。
参考 : カワハギ釣り上達に!!『誘い掛け』マインドの必要性
ところで、船釣りの世界ではロッドによる仕掛けの操作を『誘い』と呼ぶことが多いですが、同様のことをルアーフィッシングではアクションなどと呼んだりします。
まぁ呼び方はなんでも最終的に釣れるようになれば構わないのですが、言葉の統一は複数の人が共通の認識を持つ上では絶対に欠かせません。
つまり共通言語ですね。
音楽でいえば譜面と音符がこれにあたります。
もちろん個々人が勝手に演奏する場合はそれでも良いかもしれませんが、合奏ではそうはいきません。
譜面に書かれた音符を演奏者全員が理解しているからこそ、「〇〇小節の△拍目の音」と言えば同じ音が出てくるわけで、同じ音符をある人はソ、ある人はドと勝手に解釈していては合奏することは不可能です。
ということで、当工房では仕掛けを意図的に動かす事を全て『誘い』、そしてこれを主体に釣りを組み立てるものを『誘い掛け』と総称することにしています。
●まずは『誘い』の最小単位を身につける
『誘い』と『誘い掛け』の基本概念を説明したところで、次はいよいよ具体的な方法に移りましょう。
前述の通り誘い掛けとは『誘い』を主体に釣りを組み立てるものですから、まずは誘いの動作を身に付ける必要があります。
しかし『誘い』というと、「釣り人それぞれが自分で探すもの」と言われてしまうことが多いです。
ですが、入り口でいきなり「あとは好きにやってみて」と放置されてしまうわけですから、何がなんだか??となりますよね。
そこで、ここではまず最も基本となり、且つその後に応用しやすい誘いの動作を具体的に示していきます。
なお、この記事では特段の記載がない場合、天秤仕掛けを前提にして話を進めていくことにします。
誘いの基本は小突きの『ツンツン』= フラッタリングアクション
シロギスを釣るにあたり、まず最初に身につけたいのが小突きと呼ばれる誘い。
つまり錘で海底を叩く動作です。
とはいえ、この動作には幅(錘が上下する距離)とピッチ(時間当たりの回数)という2つの要素がありますから、いきなり「さぁやってみよう」といわれても基準がわかりません。
ですからここで誘いの動作を更に細かく具体的に規定していくことにしましょう。
それはズバリ『ツンツン』です。
釣りの経験が長い人はこの擬態語である程度動作がイメージできるかと思いますが、もう少し詳しく解説してみますね。
まずは大前提。
錘は海底に着いた状態をスタート地点にします。
そしてこのスタートのホームポジションは錘が海底に寝た状態です。
ここで気をつけなければならないのは竿先とミチイトの角度で、これが大きく鈍角に振れた位置をホームポジションにしないことです。
もちろん理想は直角、つまり90度ですね。
竿先とミチイトとの角度(アングル)の保ち方とその重要性はこちらも参考にしてください。
参考 : 船小物釣り上達の絶対的な秘訣!!G.F.A理論とは【前編】
参考 : 船小物釣り上達の絶対的秘訣!!G.F.A理論とは【後編】
適切なアングルを確保しつつ錘が寝た状態をホームポジションに据えたら、まずはラインスラックを出すように竿先を下げます。
次にそのラインスラックをパンッと瞬間的に張ってやるのが第二段階です。
この動きにより、1秒に1.5回〜2回程度の速度で錘をパタパタとアクションさせる、フラッタリングを行うことが可能になります。
ここで気を配りたいのが手の感触で錘の動きを確認しながら行うということ。
竿先だけを動かして誘った気分になっていても、錘が全く動いていなければその先の仕掛けも全く動いていません。(天秤仕掛けは特に)
つまり何もしていないのと同じです。
これで基本となる『誘いの最小単位』であるフラッタリングが完成します。
このように、最も小さい距離できちんと錘をツンツンと動かす誘いが行えるようになることで、そこから大きな誘いへ、長めのピッチへ、と無段階でコントロールすることが容易になるのです。
なお、これについては別記事にて更に詳しく具体的な動かし方を解説していますので、そちらもご参考ください。
関連記事 : 【船シロギス】アタリを倍増させろ!!最強の『誘い掛け釣法』を隅々まで解説します〜①理論編〜
: 【船シロギス】アタリを倍増させろ!!最強の『誘い掛け釣法』を隅々まで解説します〜②実践編〜
『誘い』のコントロールに適したロッド
ちなみに、ロッドの調子によってはこれが極端にやり難い場合があります。
それはどんなものかというと、穂持ちと胴が柔らかすぎる調子です。
もちろんとりあえず手持ちのタックルでできる範囲で小さく行うことを心がけていけば良いのですが、これが後々問題を起こします。
柔らか過ぎるロッドでは穂先とミチイトの角度(アングル)を大きく開いて弾力を殺してやらないと錘をきちんと動かせない。
するとホームポジションがおかしな位置になってしまい、それが癖として染み付いてしまいます。
もちろんそこまでを、織り込んで、敢えて鈍角にコントロールしている、というなら問題ありませんが、多くの人は使用するロッドによって悪い癖を付けてしまうのです。
ということで、できれば穂持ちと胴のパリッとした調子のロッドを使用されることをお勧めします。
ちなみにO.F.Fでは良いシロギスロッドの条件を、
誘いのコントロール性能が高いこと = 誘いの強弱を幅広く行えること
と考えています。
しかし残念なことに現行のシロギスロッドにはこれに合致するものが非常に少ないです。
ちょっと悲しいですが、これも先述した釣り物としてのステイタス低下が招いた状況なのでしょうね・・・・
個人的に「この状況をなんとかしたい」とずっと感じていたので、ロッドビルダーという仕事に就いたからには本気でおすすめできるロッドを作らねば!!
そんな使命感に駆られて開発したのが『シロギス斬−ZAN!!−』 です。
関連記事 : 【もっと釣れる船シロギスロッドを選ぶ】必須条件は『誘えるロッド』
●基本の誘いを使った『誘い掛け』の主なパターン
海底で錘をパタパタと動かすフラッタリングができるようになったら、これをベースにその日の釣りを組み立てていきます。
そして、この組み立てには主にふたつのパターンがあります。
ひとつ目は誘い中にアタリがあってそのまま針掛かりするもの。
この場合、魚の活性や潮の向きなど、好条件が揃っていると思われます。
数を稼ぐチャンスです。
更に誘いのピッチを上げる、またはフラッタリングアクションを強めに行う→移動距離が大きめになる、などを調整して様子をみていき、もしこれにも反応するようなら、手返しを早くしてどんどん回転させていきます。
これが、誘いがそのままアワセも兼ねている、典型的な『早い誘い掛け』です。
ふたつ目はステイが必要な場合。
アタリが遠かったり、アタってもなかなか針に掛からないような状況で、誘った後にステイを入れて間を作ってやります。
この場合もまずは基本の誘いと同様の速度とピッチでスタートします。
誘った後に
ステイ → アタリ発生 → 聞き上げ → 掛かる
と、なれば正解です。
また、
ステイ → アタリは出ない → 聞き上げ → グググッと針掛かり
というのも非常によくあるパターンです。
これはシロギスが餌を咥えたまま動かないか、潮向きなどの影響で仕掛けが弛んでいるためにアタリが感じ取れない、という状況です。
とはいえ、餌を食わせることには成功していますからまったく問題ありません。
ステイ後に小さく聞き上げて魚の重さを確認していけば良いのです。
これらはどちらも『聞き上げによる誘い掛け』になります。
なお、この釣り方は一見『タイミング釣り』とも取れますが、当然食わせるための間を意図的に作ってそこから聞き上げ、つまり仕掛けを張っていく動作で魚の存在を感知していくというパターンともいえます。
能動的なロッド操作で釣るわけですから「アタリを出しに行く」とか「掛けにいく」なんて、攻撃的な表現をする場合もありますね。
いずれにしても意図的に仕掛けを動かして魚を掛けていくということですから、やはり誘い掛けのバリエーションのひとつに分類されることになります。
そしてこれ、実はシロギスだけでなくカワハギ釣りでも超重要なテクニックです。
ちなみに私の場合、ステイは3秒を1単位とし、6秒、9秒と増減させて必要な時間を掴むようにしています。
カワハギ釣りをしていて誘い掛けのイメージが掴めない人は、シロギスで基本の誘いからマスターしてみるととても効果的。
新たな世界が広がります。
●【アドバンス】基本の誘いから離れたパターン
ここまで説明した基本の誘いをベースにしたパターンは、多くのシチュエーションで非常に有効で、カバーできる範囲はおそらく7割近くになると思います。
しかし、やはり一部にこれだけではカバーし切れない状況というのがあります。
特に喰いシブりの状況ではこれが顕著な時があります。
とはいえ、これらも全て誘い掛けのバリエーションでカバーが可能。
私の行っているパターンを参考までにふたつほど紹介してみます。
胴突き仕掛けでの定点誘い
特に水温の低い季節に出番の多い誘いです。
低水温で餌を追いかけないシロギスの攻略には、仕掛け(錘)の横移動を可能な限りゼロに近付けたい。
とはいえ針(餌)が一切動かない状態ではシロギスの捕食スイッチはなかなか入りません。
また、動きの鈍い魚がゆっくりと餌を咥えるのでアタリも出にくい。
それを解消するために必要なのが針の動きです。
錘の位置を変えずに針だけ動かすには、錘より先にハリスがある天秤仕掛けより、錘の手前にハリスがある胴突き仕掛けの方が理に適っています。
錘は立ったり寝たりする程度から、海底を叩かずにフワフワと仕掛けを揺らしてやるようなイメージで誘いを入れ、その中でアタリを探します。
その先は、誘い中のアタリがそのまま針掛かりとなるケース、そこでは掛からずにステイと聞き上げを組み合わせて掛けていくケース、となります。
これは『定点での誘い掛け』と呼んでいて、カワハギ釣りでも強力な武器となります。
ちょい宙でのスライド
「たまにアタってもなかなか針掛かりしない」という悩ましい状況では、ゆっくりと、且つ一定の速度で仕掛けを引っ張ってやる誘いが効果を発揮することがよくあります。
この誘いを『スライド』と呼んでいます。
引っ張っているので仕掛けが張りアタリが出やすい状態を作れますし、一定の速度で動くことで喰いやすい状況になりミスバイトが減ります。
また、適切な速度での移動でシロギスのスイッチが入りやすくなる効果も期待できます。
なお、錘を海底につけたまま引きずってしまうと、底の凹凸に邪魔されて一定の速度が保ちにくいので、ギリギリの範囲で海底から浮かせる、いわゆる “ちょい宙” を意識して操作します。
また横の動きの演出では、船の移動方向と速度を加味しての調整が必須になってきますので、難易度が少し高くなります。
船の挙動を理解しつつ操作する方向とロッド操作を組み立てていきましょう。
まとめ
シロギスはベースになる数がたくさんいるので、仕掛けを放っておいても一定の割合で勝手に釣れてくれる、初心者にも優しい釣りものです。
が、勝手に掛かってくれる魚だけを釣り上げていても数は伸びない、というのはこの記事でも説明した通り。
ここからいかにして能動的にヒット率を高めていくのか?というのが釣り人側に求められるスキルとなります。
そして、そのスキルがこそが仕掛け操作、つまり『誘い』であり、それを組み合わせてパターンを探り数を稼いでいくのが『誘い掛け』なのです。
また、各項でもしばしば触れたように、この考え方と操作方法は他の釣りもの、とりわけカワハギ釣りにはそのまま応用できる非常に重要な考え方です。
シロギスの試行回数の多さを利用して、是非『誘い掛け』の極意をマスターしてください。
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